人間万事塞翁が馬

昔、中国の北方にある城塞に、占いが得意な老人が住んでいた。


あるとき、老人が飼っていた馬が逃げてしまった。


城塞の近くに住む人たちは、老人を気の毒に思い、なぐさめに行った。


すると老人はこう言った。


「このことが幸福に転じるかもしれません。」


数ヵ月後、逃げた馬がたくさんの野生馬をつれて老人のもとに帰ってきた。


人々は、老人にお祝いを言いに行った。


すると老人はこう言った。


「このことが、わざわいになるかもしれません。」


老人の息子は、馬に乗ることが好きだった。ある日、息子は、手に入れた馬から落

ちて足の骨を折ってしまった。


人々は、気の毒に思い、お見舞いを言いに行った。


すると老人はこう言った。


「このことが幸福に転じるかもしれません。」


一年後、隣国との戦争が始まった。


城塞の近くに住む若者たちはすべて戦いに行き、ほとんどが戦死してしまった。


しかし、老人の息子は、足が不自由だったために戦いに行かずにすみ、命が救われた。

※塞翁は、塞(とりで)に住む翁(おきな=老人)の意

出典:淮南子(えなんじ)巻十八・人間訓


人生は、ジグソーパズルのようなものです。


一見して「良いこと」「悪いこと」に思える出来事も、それひとつだけでは、価値を判断することはできません。


1つのピースだけでは図柄を判別することができないのと同じようにです。


人生は、すべての出来事が相互に関連し合って成り立っているパラドックスです。


すべてのピースがはまったときに、一枚の絵となり、意味を成すのです。

痛みのない喜びも、喜びのない痛みもありません。

―ドクター・ディマティーニ



味方なしに裏切られることはなく、裏切られることなしに味方されることはありません。

―ドクター・デニース・アリアーナ・ナドラー