「薄利多売はバカの商法」価格を高く設定するメリット
目次
お金・ビジネスのブロック
先週の土曜日は、グループ向けディマティーニメソッドセミナーでした。
今回の参加者は2名だったのですが、お二人とも経営者の方。
それで思いがけず、
「お金・ビジネスのブロックを解消する」
というテーマの回になりました。
わたし的にとても興味深い内容だったので、
今日は、気づきをシェアしたいと思います。
なお、お金とビジネスに興味のない方は、
「恋愛・夫婦関係」(パートナーシップ)に置き換えて、読んでみてください。
まったく同じ原理原則が当てはまりますので。
頑張っても報われない自己犠牲
参加者の2人がディマティーニメソッドの対象に選んだのは、いずれも母親。
そして2人とも、母親のもっとも好きな特性として、
「自分を犠牲にして、他者に奉仕すること」を書きました。
一方、母親のもっとも嫌いな特性として、1人が書いたのは、
「対価に見合う働きをせずに、お金だけ取っていくこと」でした。
これ、よく見ると、見事に”対照”(コントラスト)、
つまり、表と裏の関係になっているんです。
「自分を犠牲にして、他者に奉仕すること」は、
”もらうお金よりも多くサービスを提供すること”だし、
「対価に見合う働きをせずに、お金だけ取っていくこと」は、
”提供するサービスよりも多くお金を受け取ること”
を意味しているからです。
違う言い方をすると、
「安い金額で、たくさんサービスすることが良いこと」
で、
「高い金額だけもらって、ろくにサービスしないことが悪いこと」
という認識・思い込みを持っているということ。
これを読んで、多くの人が、そんなの当たり前じゃん!
普通は、そうじゃんって、思うかもしれません。
けれど、その思い込みこそが、まさに、
”強力なお金のブロック”
だったりするんですよ・・・。
だって、そう思っていたら、
いつでも、”受け取る報酬以上のサービス”を人に提供しないといけないからです。
だから、お金持ちになろうとしたら、もう大変!!
受け取るものより、与えるものの方が多いわけですから、
より多く受け取ろうとしたら、ものすごい頑張らないといけないんですよ!
そして、頑張って、頑張って、必死に自己犠牲して、他者に奉仕をして、
やっとそれなりのお金を受け取れる。
けれど、どう考えても割に合わない、報われない・・・。
『頑張っても報われない本当の理由』(心屋仁之助著)
という、本を思い出しましたが、まさにこのことですね! 苦笑
サービスすると「奴隷」になる
ちなみに、「service」(奉仕する)の語源の由来は、
ラテン語で「奴隷」を意味する「servus」からきています。
つまり、
「自分を犠牲にして、他者に奉仕するのは、すごく良いこと」
という思い込みを持っていると、
自分から進んで「奴隷」になっちゃう・・・。
ああ、オソロシイ!!
安い価格にする自分のデメリット
とういうわけで、今回、ディマティーニメソッドで
この”お金のブロック”を解消していったんです。
まず最初に、
「自分を犠牲にして、他者に奉仕すること」が
自分にどんなデメリットになっているかを見ていきます。
サービスしすぎると、
自分がどんどんすり減ってしまう。
受け取るものが少ないから、
その分、長時間、働かなきゃいけない。
それで、さらに自己犠牲的に働いてしまう。(以下、ループ・・・)
おまけに、自己犠牲して、報われないから、
奉仕している相手にだんだん腹が立ってくる。
自分が勝手に奉仕してるくせに。
これ、かんぜんに自爆ですよ。
それで、「もう疲れた、続けるのイヤ!」ってなっちゃう。
これが、ビジネスなら、閉店・廃業だし、
パートナーシップなら、離婚・失恋でしょう。
実際、今回の参加者のうちの一人が、
「安くしないとお客さんがきてくれない」と、
本来の価値よりも、過剰に安い金額で商品を提供した結果、
1日13〜14時間の長時間労働になって、
それなのに、利益もちょっぴり。
最終的に、お店を閉めなくてはならなくなった、
という経験をしていました。
安い価格にする顧客のデメリット
次に、「自分を犠牲にして、他者に奉仕すること」が
相手(お客さん)にどんなデメリットになっているかを見ていきます。
まず大きいのが、上に書いた、
”自己犠牲して奉仕するパターン”を相手にコピーしちゃうこと。
人って、してもらって感動したり、すごく良かったと思うことは、
他の人にもやってあげようって思うものです。
だから、こちらが、自己犠牲して他者に奉仕すると、
相手も、そのパターンをマネしちゃうんですよ。
だから、”自己犠牲”が、どんどんコピーされて、無限増殖していく。
うーん、これはものすごいタチの悪い”伝染病”みたいですね・・・。
あと、サービスしすぎることの、大きなデメリットは、相手を”受け身”にしちゃうことです。
例えば、コンサルとかコーチ、カウンセラーの人が、
クライアントに過剰にサービスをしちゃうと、
クライアントは、ぜんぜん自分で考えなくなっていくし、
「私、どうしたらいいでしょうか?」って、
自分の人生なのに人任せにしはじめるんですね。
コンサルとかコーチの仕事は、クライアントの自立を促して、
自分の力で人生を切り開いていけるように、
力づけることなのに、サービスしすぎたら、
クライアントが依存的になって、相手から力を奪うことになる。
これ、ダメじゃん!!
その他の商品でも、価格を安くしすぎる(与える価値よりも、受け取るお金が少ない)と、
相手は、”価値をきちんと受け取れない”のです。
例えば、安いランチは、味わって食べませんよね。
スマホいじったり、考え事しながら、食べちゃう。
そうすると、美味しいのか、不味いのか、
味もわからないうちに食べ終わってしまう。
でも、それが、すきやばし次郎の4万円のお寿司だったり、
ジョエル・ロブションの3万円のフレンチだったら、完全に話は、べつ。
食べているときに、味覚に全神経を完全集中して、
全力で味わい尽くそうとするのではないでしょうか。
支払う金額が大きくなればなるほど、
”受け取る側(お客さん)は、価値を最大限に受け取ろうと、自発的になる”
からです。
でも、その逆に、お金を受け取ってあげないと、お客さんの方は、
”きちんと受け取るという責任”を、果たせないんですね。
そうすると、結局、お客さんは、価値を受け取れなくて、お客さんの方も、損しちゃう。
だから、「自分を犠牲にして、他者に奉仕すること」を過剰にやってしまうと、
自分もお客さんも、両方、損しちゃう。
win-winならぬ、lose-loseになってしまうのです。
高い価格にする自分のメリット
では、これをひっくり返して・・・
「自分が提供するサービスよりも多くお金を受け取ること」をしたら、
自分にどんなメリットがあるでしょうか?
これは、もうわざわざ考えるまでもないでしょう。
提供するサービスよりも多くお金を受け取れば、
利益率が上がって、ビジネスは安定します。
今回の参加者の1人に、
”ビジネスを成功させる秘訣”を聞いてみたら、
「原価が安くて、利益率の高い商品を扱うこと」
だと教えてくれました。
この話を聞いて、日本マクドナルド創業者の藤田田(でん)さん
(ソフトバンクの孫さんの師匠)の著書『ユダヤの商法』に、
「”薄利多売”は、バカの商法だから、
利益の大きな商品を少なく売る”厚利少売”(こうり・しょうばい)をやりなさい。」
と書いてあったのを思い出しました。
つまり、「自分が提供するサービスよりも多くお金を受け取ること」は、
ビジネスの基本中の基本であり、成功の秘訣なんですね。
もしこれが、結婚生活なら・・・
「わたし、家事なんてほとんどやらないけど、
旦那が稼いできたお金は、ほとんど、わたしが使っているの。
バーキンも、ケリーも、両方、持ってるの。
旦那は、すごく稼ぎがいいの。」
(訳:自分が提供しているサービスよりも、受け取っている報酬の方がはるかに大きい)
という感じでしょうか。
これじゃあ、相手に不満を持つことの方が難しいでしょう。
けれど、実際は・・・
「わたし、子育てと、家事をぜんぶ一人でやってるのに、
旦那は、何一つ手伝ってくれないの! 怒
その上、給料安いから、わたし、欲しいものなんて、何も買えないの! 怒
(訳:自分が提供しているサービスよりも、受け取っている報酬がはるかに少ない)
という話の方をよく聞きます。
これじゃあ、離婚したくなるのも当然。
パートナーシップがうまくいくための秘訣も、
「自分が提供するサービスよりも多くお金(報酬)を受け取ること」
なんですね 笑
高い価格にする顧客のメリット
そして最後。
「自分が提供するサービスよりも多くお金を受け取ること」が、
相手(お客さん)にどんな”メリット”になるかを見ていきます。
みんな、今までこんなこと、考えてみたこともないと思います。
誰もが、相手からたくさんお金をもらったら、相手を困られせてしまう、
相手に損をさせてしまうと思っています。
だから、お金を受け取ることに罪悪感があって、受け取れない。
なので、この認識をひっくり返すことが、
”お金のブロック解消のいちばんのポイント”なんです。
ということで、お客さんのメリット。
お客さんから、”たくさんお金をもらってあげる”と、
お客さんは、「支払った金額に見合う価値を受け取ろう」
と、主体的になってくれます。
なぜかというと、誰だって、損したくないから。
例えば、私、10年前にはじめてディマティーニメソッドの
セミナーに参加したんですが、そのときの受講料がたしか54万円。
でも、セミナーでぜんぜんメソッドができなくて、
結局、その場では「ブレイクスルー」(ワークを完了させて、意識の変容を体験すること)
できなかったんですね。
で、セミナーが終わったあと、
「50万も払ってるのに、ブレイクスルーできないなんて、そんなの、ありえない!」
と思って、家でメソッドをやりまくったんです。
もう、損をしたくない、元を取らなきゃという思いで、必死・・・。
つまり、支払った金額に見合う価値を受け取ろうと、私、自主的になったんですよ。
ちょっと前まで、セミナーに行けば、変われるだろうって、
ものすごく受け身で依存的だったんですが・・・。
そして、本気になってワークしたら、何度も何度も、ブレイクスルーが起きたんです。
それで、自分に自信が持ているようになったり、
本当にやりたいことがわかってそれを仕事にできたり、
今の奥さんと出会えたりと、どんどん人生が変わっていったんです。
(このあたりのことは、今まで散々、
このメルマガやブログに書いているので、今回は、ハショリます!)
それで、結果的に、支払った50万円をはるかに
上回るリーターン(価値)を得ることができたんですね
うちの奥さん50万円じゃ買えないですからね 笑
だから、
「僕から、お金をいっぱい取ってくれて、
ディマティーニのおじちゃん、本当にありがとう!」
なわけです。
お金をたくさんもらうと、依存的(受け身)なお客さんを、
自立させる(主体的にする)、魔法の効果があるんです。
これは、どんなサービスにおいても共通の原理原則なんです。
例えば、ディズニーランドって、年々、入場料が値上がっていますが、
お金が高い分、元を取ろうとたくさん、アトラクションに乗ろうとしますよね。
つまり、お金が高いから、より楽しもうと、主体的にお客さんが努力するわけです。
食べ物だって、高いお店に行くときは、ちょっとオシャレして、いつもと違う気分を味わおうとするし、
ゆっくりと味わって食べるように意識的になりますよね。
間違ってもスマホいじりながら食べたりしません。
高い洋服を買えば、大切に扱って長く着ようとするし、シミをつけないように気をつけたりします。
そうやって、主体的・意識的に受け取ろうとすることで、
レストランや、アパレルショップが提供している価値(奉仕=サービス)を最大限に受け取ることができる。
つまり、お金をたくさんもらってあげると、
お客さんは、主体的にそのサービスの価値を受け取ろうとしはじめるんです。
そうすると、そのサービスの価値が最大化して、結局、お客さんは、
”支払った以上の価値”を受け取ることになるんです。
つまり、
”お金をたくさんお客さんからもらってあげた方が、お客さんが得するってこと。”
実は、”お金をたくさんもらってあげることそのものがサービス(奉仕)”
だったんですね。
これぞ、まさにパラダイムシフト!!
サービスって、ほんとうは、「提供する側」と「受け取る側」の共同創造だったんです。
でも、多くの人たちが、お金を払ったら、自動的に価値あるものが手に入るって思っている。
つまり、ほとんどの場合、受け取る側が、受け取る責任を果たしていないんです。
でも、ほんとうは、「提供する側」と「受け取る側」が協力しないと、
本当の価値は、創造されないのです。
「お金をもらう」というサービス
結論。
サービスしすぎずに(奴隷にならずに)、たっぷりお金を受け取ること(自分にサービスする)
ことが、ほんとうの意味で、相手へのサービス(お客さんが価値を受け取れるようにしてあげる)になる。
これぞ、まさにWin-Win。
ちなみに、今回、セミナーにきてくれた経営者のお二人は、
お母さんを対象にディマティーニメソッドに取り組んだのですが、
”お金のメンタルブロック”って、親から受け継いでいることが、
すごく多いんです。
多分、9割ぐらいそうじゃないでしょうか。
例えば、「自分を犠牲にして、他者に奉仕すること」なんていうのは、
その代表格で、うちの母もまさに、そういう傾向の人だったので、
私も、このパターンを無意識のうちに引き継いでいました。
ですから、両親を対象にディマティーニメソッドに取り組むと、
お金のブロックがパカーンと外れることが多いんですよ。
特に、ポジティブに感じる特性を扱う「A面」が大切なんですが。
ディマティーニメソッドできる方は、
”お金のブロックを解消する”ために、
親を対象にワークしてみるのがとっても、オススメ!
ということで今日は、
自己犠牲をやめて、たっぷり報酬を受け取ることが、
ほんとうの意味で、自分と相手のためになる。
与えることと、受け取ることは、共同創造である。
というお話でした。
今日は、ついついサービスしすぎて、
自ら奴隷になる傾向のある私が、自分に言い聞かせるように書きました 笑
今日も、気がつけば、長い文章になってしまいましたが、
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
飛田貴生