なぜ、カウンセラーに依存してしまうのか?

カウンセリングが役立つ人、役立たない人

私のディマティーニ・メソッドの
個人セッションのクライアントに、
中村愛美さん(仮名)という方がいます。

彼女は「親との苦しい関係」を解消するために
ずっと何年も、傾聴や共感、感情の吐き出し

なんかをベースにした、カウンセリングや
セラピーを、受けてきたそうです。

でも、そうしたカウンセリングやセラピーで、
親への怒りを吐き出し、

「あなたは何も悪くない、親が悪いよ」
「親ガチャにハズレたんだよ」
「あなたは運が悪かったんだよ」と、

カウンセラーから共感や傾聴をされて、
逆に、親への憎しみや、怒りが増していった
そうなんです。

それだけでなく、
被害者意識も強くなってしまった。

それで、親を憎み続け、ずっと被害者で
居続けることに、罪悪感まで感じるように
なったというんです。

あ、勘違いしないでください。

私には、共感や傾聴をベースにした
カウンセリングや、セラピーを否定する
意図なんてありません。

だって、私のもう一人のメンターの
アラン・コーエンさんが教えてくれた
コーチングの手法は、「傾聴」と「承認」が
ベースなんですから。

アランのところには、
今にも、心が壊れてしまいそうな人たちが、
やってくるんです。

無価値感、劣等感、自己否定、自己嫌悪、
罪悪感が、強い人が多い印象です。

もちろん、その中には、私も入っています。

初めてアランに出会った頃は、
生きるのがつらくてつらくて仕方なかったんですよ。

そうした人に、「傾聴」「承認」「共感」は、
すっごく、役立つんですよ。

実際、私は、アランの承認に、
すっごく、救われたんです。

「とりつく島」「すがりつくワラ」を
見つけた感じです。

アランの承認によって「自分は、大丈夫なんだ」
と、ほっとひと息つくことができたんですよ。

私みたいに、共感や傾聴、感情の吐き出し
なんかをベースにしたカウンセリングや

セラピーに救われる人が、少なくないのも、
事実なんです。

だから、そうした手法は世の中に必要なんです。

カウンセリング中毒

でもね、
これは、ある意味、劇薬でもあるんですよ。

例えるなら、「傾聴」「承認」「共感」は、
”心の鎮痛剤”です。

しかも、これらには、すごく強い、
鎮痛(痛みを和らげる)効果があるから、
”中毒”になりやすいんです。

私、以前から、カウンセリングに何年も、
通い続ける人がいるのって、なんでだろうって
思っていたんです。

人によっては、10年以上ずっと、同じ悩みで、
カウンセリングに通っている人もいます。

それが、不思議で仕方なかったんです。

でもあるとき、これは「アディクション」
(依存症、中毒症)だと、気づきました。

つまり、カウンセラーやセラピストが提供する
「傾聴」「承認」「共感」という

強力な心の鎮痛剤を乱用しすぎると、
アディクト(中毒者)なってしまうという
ことです。

実は、そういう、「カウンセリング依存」や、
「セミナー依存」、「スピリチュアル依存」の
人って、少なくないんです。

薬も過ぎれば毒となる

これは、アメリカで大問題になっている
「オピオイド危機」と、仕組みが似ていると
思うんです。

「オピオイド」は、極めて、鎮痛効果の高い、
”麻薬系鎮痛剤”です。

アメリカでは、オピオイドが合法的に処方され、
すっごくたくさんの人たちが、鎮痛剤として、
使っているんです。

けれど、オピオイドは依存性が高い上に、
過剰摂取(オーバードーズ)すると、
死んでしまうんです。

今、アメリカでは、”オピオイド系鎮痛剤”の
乱用が大問題になっているんですよ。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の
発表によると、

2004年に9091人だったオピオイド過剰摂取の
死者数は、2021年には、10倍以上の、
10万人超に、激増しているんです。

あ、もちろん、「カウンセリング中毒」と、
「オピオイド中毒」を比べるのは、
だいぶ乱暴だって、わかっています。

ただ私は、

「人は鎮痛剤の依存症になりやすい」

「薬も過ぎれば毒となる」

ということを、強調したいだけなんです。

親との関係のトラウマを癒す

「苦痛のない快楽だけを得たい」という欲求は
動物的な(扁桃体の)反応だから、

それにあらがうのは、なかなか難しいことでは
あるんですが。

クライアントの愛美さんは、
きっと、そのことに、気づいたのでしょう。

彼女は、とても知恵のある人です。

だから、ディマティーニ・メソッドで
心の痛み、苦しみの原因になっている、

「過去の親との関係のトラウマ」を、
解消することにしたのでしょう。

痛みの原因そのものにアプローチして解消すれば
もう、鎮痛剤は、必要なくなるのですから。

愛美さんが個人セッションでブレイクスルーを
体験したあとに送ってくれた体験談を紹介します。

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飛田さん

先日は個人セッションありがとうございました!
1週間経ち、
気付きやお礼をお伝えさせてください。

思い返せば、母を亡くした20歳から
自分と向き合う旅が始まりましたが、

こんなにも深く親に対する愛や感謝を
感じられたのは初めてです。

心理療法、内観、セラピー、ヒーリングと
様々やってきましたが

飛田さんとセッション中にお話したように
傾聴や共感、感情の吐き出しは必要な時期は
あるものの一時的なものに過ぎませんでした。

私の場合はむしろ、親との関係を探って行くほど
カウンセラーに「それは親が悪いね!」と
共感されるほど怒りや悲しみも消えず、
むしろ肥大化していく一方で。

怒りや憎しみも悪いものではないですが、
親を強く責め続け、自分は悪くない!
と思うと同時に

そうやって憎しみや怒りを持つ自分を否定する…
という負のループからずっと抜け出すことが
できず、とても苦しかったです。

しかし、個人セッションを通じて体験した
”愛と感謝の境地”には「親だからこうすべき」
だなんて、とっくに超えていました。

今までの私の考えや、常識といった枠組みの中で
捉えて他者や理想(幻想)と比べて

「親はこうあるべき」と思い込んで
悪い、足りない、ダメだ、と思い込んでいた
だけだった。

理解・共感がないと決めつけ憎んでいた父。

私が私の人生を生きるために嫌われ役で
いてくれたこと、今はただただ、ありがとうと
いう気持ちでいっぱいです。

(子育て・教育関連の発信では、褒めて
認めて自己肯定感を育てよう!

って声高に言われますが、それは必ずしも
正しいとは限らないのも
今回身に染みてよく分かりました。)

私一人の頭では到底思いつかない
宇宙の意図だな…と、感動したし

私が私の望む人生を生きるためには
この両親が必要で、選んで良かったなぁと、
今でも涙が溢れてきます。

だからこそ、
一人でやるには限界があって当然で、
辿り着けない場所があるのですね。

自分が無意識に作った限界の壁を
越えていくために、飛田さんのサポートを得て
本当に良かったと思っています。

手厚く粘り強く、惜しみないサポートを
してくださった飛田さんと、

ワークを全身全霊をかけてやり切った自分自身
とに、感謝の気持ちでいっぱいです。

こうして自分と向き合い世代間連鎖を断ち切る
チャンスを惜しみなく与えてくれた病気にも
感謝できるだなんて…

つい数週間前の自分に言ったら、
驚いて信じられません。笑

(症状はまだ出ますが、忌み嫌う気持ちが
ものすっごく減りました)

トラウマも、傷も、自分自身と繋がるために
あるのだなと体験を持って確信しました。

全ての感情が、私の師であることが
分かりました。

それぐらい素晴らしい体験でした。

まだまだ自分の魂と繋がる旅を
楽しく続けて行きたいと思います。

重ねてになりますが、私の旅をご一緒して下さり、
そして長文をお読み下さり、
本当にありがとうございます。

もし私の体験がどなたかの
気付きになるようでしたら是非お使いください。

中村愛美さん(仮名)20代/女性 滋賀県
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同じ考え方では解決できない

本当に痛くて、仕方のないときには、
鎮痛剤を服用するのが賢明でしょう。

でもそれは、ただ苦痛を取り去るだけで、
痛みのもとを消し去ってくれるわけでは
ありません。

だから、ずっと、鎮痛剤を飲み続け、
痛みを感じないように見ないようにすることは、
賢明と言えません。

物理学者のアルベルト・アインシュタインは、

いかなる問題も、それをつくりだしたときと、同じ考え方では、解決することができない

と言いました。

要するに、アインシュタインは、

問題を解決するためには、
まったく違った考え方をする必要がある

と、言っているんです。

ディマティーニ・メソッドでやっているのは、
まさに、コレなんです。

ディマティーニメソッドのファシリテーターは

「クライアントは、親ガチャにハズレた、
運の悪い、被害者である」

などという、偏った考え方に、一切、同意も、
共感もしません。

だから、

「私がどれだけ、つらくて、悲しかったのか」

などという、感情にまみれたストーリーなんて、
クライアントに、一切、話させません。

というかそもそもディマティーニ・メソッドに、
「傾聴」と「共感」などという、コンセプトは、
存在しないですから。

親があなたに
何をしたとしても、しなかったとしても、
そこには、デメリットとまったく、同じだけの
メリットがあります。

親の拒絶や、否定、無関心、過干渉、暴力
といった特性、行動に、

メリットがないのではなく、
それに気づいていない、または、見えていない
だけです。

ディマティーニ・メソッドに深く取り組み、
より高い視点である「神の視座」
(超越のマインド)から見てみると、

この世界に子供を愛していない親なんて、
一人も存在していないことがわかります。

子供を拒絶したり、コントロール・束縛したり、
暴力をふるうような親であったとしてもです。

メソッドに深く取り組むと、
親のどんな特性、行動も、自分を深く

愛しているがゆえの、「無条件の愛」
であったことがわかります。

すると、

「私は、親ガチャにハズレた、
運の悪い、被害者である」

なんて、真っ赤なウソであるとわかります。

「私は、想像もできないほど、
深く大きな親の愛に包まれている」

その気づきによって、心の苦しみ、痛みは、
消滅するんです。

もちろん、ディマティーニ・メソッドが、
すべての人に役立つものであるかは、
わかりません。

けれど、愛美さんや、他の大勢のクライアント、
あと、私自身の人生にとても役立ったことは、
事実なんです。

だから、試してみる価値はあると思うんです。

この方法が、あなたに役立つものかどうか、
一度、確かめてみては、いかがでしょうか。

今日の記事は、
クライアントの中村愛美さん(仮名)に、
インスピレーションを受けて書きました。

少しでもあなたの役に立つと嬉しいです。

「同情も、また下等である。愚かに泣く者がいると、私たちは近寄って腰を下ろし、ともに涙を流す。

手荒な電気ショックで、彼ら自身の理性と、再び対話させ、真実と健全さを与えるということをせずに・・・」
ーラルフ・ワルド・エマソン(アメリカの思想家、哲学者)

飛田貴生

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