「セラピー、ヒーリングの大原則」人生の責任は100%クライアントにある
批判と賞賛
何年か前のお話です。
私のところに、一通のメールが届きました。
差出人は、以前に私のディマティーニ・メソッドの個人セッションを受講した女性でした。ゆみ子さん(仮名)でした。
メールの内容は、
「お前の、個人セッションは、私にはまったく役に立たなかった。
5万円も、ボッタクっておきながら、なんの効果もなかった。
お前の個人セッションの価値はせいぜい3千円がいいところだ。
お前は、詐欺師だ。
私からだまし取った、お金を今すぐ全額返せ。」
というものでした。
クライアントから、これほど、痛烈なご批判をいただいたのは初めてです。
このときは、本当にショックでした。
ゆみ子さんの個人セッションは、うまくいったと感じていただけに、とても予想外でした。
私はしばらく呆然としていたのですが、メールボックスに、新たに2通のメールが届いていることに気がつきました。
1通目は、以前に、私のディマティーニ・メソッドのセミナーや個人セッションを、受講してくれたミサさん(仮名)からでした。
メールの内容は、
「念願の赤ちゃんを授かりました。
今思うと、きっかけは、飛田さんのセミナーでした。
本当に感謝しています」
というものでした。
そして、もう一通は、以前に、私のディマティーニ・メソッドの継続セッションを受けてくれていた、健二さん(仮名)からでした。
メールの内容は、
「最近、大好きな女性ができて、付き合うことになりました。
仕事も、自分の好きなこと見つけられて、とても充実しています。
これも、飛田さんの個人セッションのおかげです。
とても感謝しています。」
という内容でした。
驚くべきことに、「私を批判するメール」と、「私を賞賛するメール」が、同じ日の、ほぼ同時刻に、一度に3通、届いたのです!
責任と手柄
私は、この出来事にどんな意味があるのかを、考えはじめました。
そして、自分に向かって、下記のように問いかけたのです・・・。
「私は、3人に、まったく同じサービスを提供した。
それなのに、1人は私を詐欺師だと言い、もう2人は、あなたのおかげと感謝している。
これって、いったどういうことなんだろう?
ゆみ子さんの人生は、あのときから、まったく変わっていないみたいだ。
”彼女の人生が変わらなかったのは、私の責任なのだろうか?”
一方、ミサさんと、健二さんの人生は、セッションのときから、格段に前進しているみたいだ。
”彼らの人生が大きく変わったのは、私の手柄なんだろうか?”」と・・・。
そして、この質問をしたことで、私は、とても大切なことに気がついたのです。
その気づきとは・・・
「ゆみ子さんの人生が変わらないのは、私の責任ではないし、ミサさんと、健二さんの人生が変わったのは、私の手柄ではない。
ゆみ子さんは、自分の人生を、人任せにしてしまったが、ミサさんと、健二さんは、人生を変えることを、自分で選択した。
結局のところ、教師の立場の人(ヒーラー、コーチ、カウンセラー)が、どんなに頑張っても、本人が選択しなければ、何も起きはしない。
人生を変える力は、本人にしかない。
教師の立場の人ができることは、クライアントに、癒しの機会と場を提供することだけ。
と、いうものです。
ヒーリングの大原則
以前、私は、スピリチュアルな教師の、アラン・コーエンのセミナーに参加し、持病のリウマチの痛みが、1日で解消するという経験をしています。
後日、私はアランに感謝の気持ちを直接、伝えに行きました。
すると、彼は、こう言ったのです。
「私に感謝してくれてありがとう。
でも、私は、あなたの代わりに、癒されるという選択をできませんでした。
自分を癒すことを選択した、ご自分にも、感謝してあげてください。」
と・・・。
このとき、私は、アランの言葉が何を意味しているのか、わかりませんでした。
アランが教える、認定コーチ養成プログラムの中でも、
「癒しの責任は、100%クラインアント側にある」
と教えられていたのですが、今までぜんぜん、理解できていなかったのです。
以前の私は、
「お金をもらってるんだから、成果を出さなければ」と、クライアントの人生の責任を背負い込んでしまったり、「自分には、他人の人生を変える、特別な力がある」と、過信してしまっていました。
そして、成果が出ないと、「自分のせいだ・・・」と罪悪感を感じて、落ち込み、成果が出たときは「自分の手柄だ!」と喜んでいい気分になるということを繰り返していたんです。
そして、一喜一憂を繰り返すことで、ヒーリングをするたびに、どんどん消耗し、すり減っていっていたのです。
でも”3人のクライアント”のおかげで、私は、「成果を出して、感謝されることを求めること」と、「成果を出せずに、自分で自分を責めること」の両方から、自由になることができていました。
思い通りにできないことを、コントロールしようとしていたから苦しかったし、成果を出すことを求めすぎていたから、成果が出ないと、強い痛みを感じていたんです。
でも・・・
自分には、結果をコントロールする力なんてないと降参し、うまくいっても、いかなくても、自分の手柄でも、責任でもないと、
手放してしまったら、すごく楽になったのです。
ヒーラー、セラピストにできることは、クライアントが変化し成長する機会と場を提供することだけ。
その機会を活かして、変化し、成長するかどうかは、クライアント側が100%自由意志で決める力を持っている。
これが、”3人のクライアント”が私に教えてくれた「ヒーリングの原則」です。