なぜネガティブなことばかり考えてしまうのか? 心に平安をもたらす「バランス思考」

 

なぜネガティブなことばかり
考えてしまうのでしょうか?

ディマティーニ・メソッドの個人セッションを受講されている、クライアントさんから、下記のようなご質問をいただきました。

【質問】

以前、飛田さんは、「私たちの思考(マインド、自我)は、物事を、良い・悪いのどちらかに、決めつける(判断する)のが大得意」と言っていましたが、これはなぜでしょうか?

私はいつも、他人や出来事のネガティブな側面ばかりに目がいってしまいニュートラルに物事を見ることができません。

悪いことばかりに、目がいってしまうせいで、常に、不安で仕方がありません。

こういった状況を変えるには、やはりディマティーニメソッドが役立つのでしょうか?

もしそうだとしたら、どんなやり方で、取り組んだらいいでしょうか?

ネガティブ思考6万回

私たちは、普段、1日に6万回も、思考 (考え事を)していると言われています。

そして、その思考のほとんどが、「ネガティブな考え事」です。

過去に起きたことを、くよくよと考えている(過去の記憶の中に生きている)か、

将来に起きるかもしれないことに、不安を感じたり、恐れたりしている(想像上の未来に生きている)のどちらかです。

例えば、夕飯を食べながら、その日にあった、職場での嫌な出来事について考えていたり(過去の記憶の中にいる)、お風呂でシャワーを浴びながら、次の日の心配事について考えたり(想像上の未来の中にいる)していたりします。

そういうネガティブな考え事を、1日に10万回もしているのですから、「常に、不安で仕方がない」のも当然ですね。

しかも、思考は、止めようとしても決して止めることができません。

しばらく、この文章を読むのをやめて、思考をストップしてみてください。

気がつくと、いつの間にか、頭の中で考え事がはじまり、思考を止め続けることはできないと思います。

思考に支配されると
「今ここ」に生きられない

そして、思考の中にいるとき、私たちは、「今この瞬間」に生きることができません。

思考の中に囚われているときは、食べ物の味も感じられないし、肌に当たるシャワーの心地よいお湯の感覚も感じられないのです。

食べているときに、何か考え事をしていて、食べ終わったときに、ふと我にかえって、今食べたものが、いったいどん味だったのか、さっぱり覚えていないという経験は誰にでもあるはずです。

ちなみに、「不安を感じること」は、人間としてとても自然なことですし、また、必要性があって、それが起きているわけですから、不安の感情を、一切、感じないようにすることはできません。

人は、不安があるからこそ、より良い自分になろうと努力しますし、問題を解決しようとしますし、危険を回避するための取り組みもしますし、より質の高いものを作るために、入念に準備したりします。

ですから、適度な不安は、私たちにとって、有益なものでもあると言えます。

けれど、いつも不安の中にどっぷり浸かっていて、自分自身をコントロールできないほど、不安や恐れに囚われ、「感情に支配されてしまう」ことは、また話が別です。

それは、思考に自分の人生を支配され、主導権を明け渡してしまっている状態だからです。

例え、不安な気持ちがあったとしても、「今、私の中に、不安な気持ちがあるな」と、そのことを”客観的に見つめること”ができているとき、人生の主導権は、「本当の自分」(=観察者としての自分)にあります。

これが、「今ここにいる」状態です。

一方、とめどない思考と感情に意識を支配され、それと自分を同一化してしまっている(我を忘れている状態)のとき、人生の主導権は、思考(自我)にあります。

これが、「今ここにいない」(思考の中の、過去か、未来にいる)状態です。

つまり、本当の自分が、主導権を握っているときは、今ここに存在できている状態(=目覚めている)であり、思考(自我)が、主導権を握っているときは、過去か未来に生きている状態(=眠っている)ということになります。

どうしたら
思考から自由になれるのか?

では、どうしたら、思考や感情の支配から自由になり、今ここに、存在できるようになるのでしょうか?

実は、キーとなるのが、過去の体験(記憶)と向き合うことなのです。

例えば、過去に、人前に出たことで批判や非難を受け、傷ついた経験のある人は、人前に出ることがあるたびに、「また批判されたら、どうしよう・・・」

という不安を持ちやすいです。

また、過去に、親が事業で失敗して、家族で夜逃げしたことがある人は、将来に対する強いお金の不安を持っていたりします。

つまり、不安や恐れ(思考の中の、想像上の未来)のほとんどが、過去の体験(思考の中の、過去の記憶)に基づいているということです。

ですから、もし、あなたが、今、不安な気持ちを強く持っているのなら、「具体的に、何が起きることが不安なのか? どうなってしまうことが不安なのか?」ノートなどに書き出して、明確にしてみるといいでしょう。

そして、それが明確になったら、過去に、同じような体験をしていないかを、見つめてみてください。

きっと、心当たりがあるはずです。

そして、その「不安の原因」になっている過去の体験(記憶)が見つかったら、その出来事をつくった人(他者、もしくは、自分自身)を、対象にディマティーニ・メソッドに取り組んでいきます。

このワークに取り組むことで、その人がそのことをしてくれたおかげで、自分に、たくさんのメリットがあったことがわかります。

その人がそのことをしてくれたおかげで、デメリットと同じだけのメリットを受け取っていたことがわかり、相手に対して、「愛と感謝」の気持ちを感じられるようになるまで、ワークをしていきます。

その人は、何一つ、間違ったことをしていないし、まったく変わる必要がない。

今、その人が目の前に現れたら、「ありがとう」を言いたいと、思えるまで。

ワークを完了させることで、過去のトラウマは、「感謝と愛」に変化します。

そして、そのトラウマ(過去の記憶)が、解消することで、同じことが起きるではないかという不安(想像上の未来)も、同時に、解消されるのです。

「バランス思考」を身につける

ディマティーニメソッド開発者のドクター・ジョン・ディマティーニは、最低12人の人を対象に、ディマティーニ・メソッドのワークを、完了させることを、推奨しています。

まず最初に、自分の人生に登場した人の中で、「特に強い感情を持っている人」を、思いつく限りリストアップします。

特に強い感情を持っている人とは、「怒りや恐れ、悲しみ、嫌悪感といったネガティブな感情を持っている人」(ネガティブな感情)、

そして「あこがれや賞賛、魅了されるといったポジティブな感情を持っている人」(ポジティブな感情)です。

特に強い感情を持っている人は、過去、現在のどちらから選んでもかまいません。

今はそれほどネガティブに感じていなくても、過去に強いネガティブな感情を感じたのであれば、その人もワークの対象になります。

そして、その中から、特に強い感情を持っている人を12人をピックアップします。

このとき、ネガティブな感情(怒りや恨み、嫌悪感など)を持っている人だけでなく、ポジティブな感情(崇拝、尊敬、憧れなど)を持っている人も、必ずリストに含めて下さい。

そして、特に強い感情を持っている人から順番に、一人ずつワークに取り組んでいきます。

ワークを行うことで、ネガティブだと感じていることには、同じだけのメリットがあることがわかり、ポジティブだと感じていることには、同じだけのデメリットがあったことがわかります。

そして、もっとも、ネガティブだと感じていたことが、自分の人生に最良のものをもたらし、もっともポジティブだと感じていたことが、自分の人生に最悪のものをもたらしていたことに気づくでしょう。

まるで、オセロがひっくり返るように、白かったもが、黒になり、黒かったものが白になっていきます。

そして、最後は、すべてが、ニュートラル(中庸)になります。

判断のない、「無条件の愛の状態」です。

12人を対象にディマティーニメソッドのワークを続けていくうちに、過去のトラウマや、罪悪感、後悔を次々に解消していくことができます。

こうした過去の記憶(「エモーショナル・チャージ」や「ペインボディ」と呼ばれる)は、「強い不安」(「過去の出来事について思い悩むこと」と、「未来に対する不安や恐れに囚われてしまうこと」)の原因になっていますので、ワークによって、これらが、どんどん解消され、思考の呪縛から自由になって、「今この瞬間」に生きられるようになっていきます。

「愛と感謝」の境地

また、ワークに深く取り組むことで、ハートが大きく開き、対象者に対して深い、「愛と感謝」の気持ちを感じられるようになるでしょう。

ドクター・ディマティーニは、この状態を「ブレイクスルー」とか、「エンライトメント」(悟り)と呼んでいますが、この心理状況のとき、思考が完全に停止して、無心・明鏡止水の心境になります。

そして、ハートのあたりがポカポカとあたたかくなり、心の中が、とても平和で穏やかになります。

これが、まさに、無条件の愛の状態(SOUL=本当の自分)の体験です。

この心理状態になったとき、あなたは、人生で、一度も味わったことのない、本当の「心の平安」を体験するでしょう。

ディマティーニ・メソッドのやり方については、「グループ向けディマティーニメソッド・セミナー」で詳しく解説しています。

このセミナーでは、丸1日かけてワークに取り組み、ブレイクスルー(「愛と感謝」が溢れる、中庸の心理状態)を目指します。

また、家に帰ったあとも、自分一人でワークできるように、メソッドのやり方を覚えていただくことも、このセミナーの目的の一つです。

セミナーは、定期的に開催していますので、下記のページをスケジュールをチェックしてみてください。

グループ向けディマティーニメソッド・セミナー

飛田貴生

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