ミッションと、ライフワークと、ワクワクの違い

「ミッション」と「ライフワーク」と「ワクワク」の違いって何ですか?

クライアントさんから、こんな質問を受けました。

言葉の解釈や定義は、人によってさまざまなので、

これが正解というものは無いと思いますが、

「ミッション」と「ライフワーク」と「ワクワク」の違いについて、

人間行動学の視点から、私見たっぷりに、解説したいと思います。

ワクワクとは何か?

「自分の大好きなこと、やりたいことがわからない」

と悩んでいる人は、たくさんいます。

でも、そもそもどうして、

「自分のやりたいことがわからない」という、状況がつくられているのでしょうか?

他人のやりたいことがわからないのは、当然として、

自分のやりたいことぐらい、すぐにわかっても、よさそうなのに。

実は、多くの人に見られるある習慣が、自分のやりたいことをわからなくしているのです。

「命令言語」

それは、

すべきこと、しなければならないことをして生きる

という習慣です。

・すべき
・する必要がある
・しなければならない

という言葉のことを、「命令言語」といいます。

「私は、結婚して子供を産むべきだ」
「もっと痩せる必要がある」
「お金を稼がなければならない」

やりたくないことを、自分に無理強いして、やらせようとする、自分への命令です。

他人の期待に応えるために、自分の本心を後回しにして、

他人の価値観を優先する生き方

のことです。

「感情のセンサー」

そんな風に、しなければならないことをずっと続けていると、感情が麻痺してきます。

自分が何をやりたいのか、どうしたいのか、何が好きなのか、サッパリわからなくなってくる・・・。

以前に、参加したあるワークショップに、こんな女性がいました。

講師が、その女性に、

「あなたは、どんな料理が好きなの?
フレンチ? イタリアン? それとも中華ですか?」

と聞きました。

すると、女性は、黙り込んで、答えられなかったのです。

旦那さんや、子供が何が好きなのか、何を食べたいのかを考えて、

食事をつくることを10年以上も、続けていたら、

自分が何が好きで、何を食べたいのか、わからなくなってしまったというのです。

これは、かなり極端なケースですが、しなければならないことばかりしていると、

好き・嫌いを感じる感情のセンサーが凍りついたように麻痺してしまう・・・。

「心のリハビリ」

じゃあ、そんなときは、どうしたらいいのでしょう?!

実は、それに役立つのが「ワクワク」なんです。

感情が麻痺して、自分のやりたいことがわからなくなってしまったときは、

「ワクワクすること」や「楽しそうなこと」を、どんな些細なことでもいいから、

すべて書き出して、次々にやっていきます。

例えば、近所のサウナ施設で一日、のんびり過ごすとか、

友達を誘って、ランチに行くとか、

Netflixで、前から見たかっら映画を見るとか、

なんでもいいので、ワクワクを感じることを、片っ端からやってみる。

そんな風に、「好き」「やりたい」「楽しい」と、

感じる感情のセンサーを、リハビリしていくのです。

「ワクワク」は、サビついた感情を、

ときほぐすのに、とてもいいトレーニンなんです。

ミッションとは何か?

ミッションとは、人生の目的、使命のこと。

「この世に生まれてきた目的」「この人生でこれをやろうと、決めてきたこと」です。

「ブループリント」とか、「天命」とか、いろんな言い方があります。

「テロス」(目的)

ちなみに、私の先生で、人間行動学の世界的権威の、Dr.ジョン・ディマティーニは、

ミッションのことを、「テロス」(Telos)と呼んでいます。

「テロス」は、ギリシャ語で、「目的」を意味する言葉。

古代ギリシャの哲学者のソクラテスやプラトンたちも、

「目的論」(teleology=テレオロジー)という哲学として、ミッションを研究していたそうです。

誰の人生にも、「生まれてきた目的」「生きる目的」というのが存在している。

「仮面」(ペルソナ)

でも、「やりたいこと、好きなことがわからない」という人が多いのは、なぜでしょう?

それは、自ら「仮面」(ペルソナ)をかぶって、

「本当の自分」を隠しているから。

世の中の多くの人たちが、知らず知らずのうちに、

常識や、社会通念、道徳観念という、「他人の価値観」で生きています。

他人の期待に答えるために、自分がやりたいことを後回しにして、

「すべきこと」「する必要のあること」「しなければならないこと」をやって生きている。

つまり、他人の価値観という「仮面」をつけて、

「素顔の自分」を偽って、生きているのです。

そんな風に、

他人の仮面をかぶると、自分の本当の姿がわからなくなる。

そうやって、ミッション(生まれてきた目的)を忘れてしまうのです。

他人の人生を生きていたら、自分の人生を生きられないのは、当然です。

まるで、「本当の自分」が眠っているかのよう。

だから、本当の自分に、目覚めるための、最初のステップは、

他人の期待に答えるために、自分らしく生きていないという事実

に気づくこと。

「常識」や「道徳」という刷り込み

そして、次に、

私は、いったい誰の価値観の影響を、いちばん強く受けているのだろう?

誰の期待に応える生き方をしているのだろう?

と、自分に問いかけることです。

ちなみに、多くの人たちが、親の価値観の影響を強く受けて生きています。

私たちが、産まれて最初に接するのは、両親です。

両親を通じて、常識や道徳観念といった他人の価値観

(世間の価値観、集合無意識の価値観)を、

無意識に自分の中に取り込んでしまう。

そんな風に、知らないうちに、他人の価値観が刷り込まれているのです。

例えば、私の父は、社交的で、サービス精神旺盛で、人に何かをしてあげるのが大好きな人。

自営業で、ふとんの訪問販売をしていた父は、お客さんの家に上がり込んでは、

「おばあちゃんの話を、何時間も聞いてあげる」「車で、病院の送り迎えをしてあげる」「蛍光灯の取り替えをしてあげる」

というようなことを毎日のようにしていました。

そんな父を幼い頃から見てきた私は、

「社交的にすること、他人に奉仕すること、親切にすることは、とても良いことだ」

と、思うようになったんです。

そして、父のマネして、社交的に、人に親切に、献身的に振る舞うようになった。

大人になっても、そうした傾向を、持ち続けました。

だから、つい無意識に、「人前で、無理して明るく振る舞おうとする」し

「人に親切にしようとする」「相手に献身的に尽くす」ということをしてしまう。

でも、それは、父がやりたいこと、好きなことであって、私がやりたいことではない。

内向的な私は、家で一人で過ごすのが大好き。

人と接しするだけでMPを消費する・・・。

こっちが、「本当の私」なんです。

だから、父のマネをすればするほど、すり減って、疲れ果ててしまう・・・。

こんな風に、私たちは、他人の価値観を無意識に、

自分の中に取り込んで、生きている。

でも、多くの人が、そのことに気づいていません。

だから、まずは、気づくことが大切なんです。

「本当の自分」(Truth Self)

そして、自分の中に取り入れてしまった他人の価値観を、ひとつ一つ、手放していく。

そうやって、「仮面」(他人の顔)を、一枚ずつ剥がしていくと、

内側から、あなたの「本当の素顔」が現れてきます。

そして、あなたが、「本当の自分」(Truth Self)に目覚めたとき、

「自分が何者であるのか?」
「何をするために生まれてきたのか?」

それを知っている、部分にアクセスできるようになる。

「外側の声」を聞かなくなった瞬間に、「内なる声」を聞けるようになるのです。

内なる声とは、本当のあなたの声。

そうやって、本当の自分とのつながりを取り戻すことで、

ミッションを思い出すことができる。

そう、ミッションは、自分の外側に探し求めるものではなく、

自分でないものを手放すことによって、自分の内側に見つけるもの。

あなたが、本当の自分に目覚めたとき、

ミッションは、内側から、浮かび上がってくるのです。

ちなみに、自分の中の他人の価値観に気づき、

それをひとつ一つ手放していく作業は、誰にとっても簡単ではありません。

ましてや、それを、自分一人の力でやろうと思ったらなおさらです。

だから、専門のトレーニングを受けたコーチやセラピストの力を借りるのがオススメです。

なお、ディマティーニ・メソッドは、それをするのが大得意。

私はこれまでに、メソッドによって、

ミッションを思い出した人たちを、たくさん見てきました。

私自身も、そのうちの一人です。

ライフワークとは何か?

本当の自分に戻ってミッションを思い出したら、

今度は、それを、自己表現して、現実世界で、カタチにしていきます。

「魂の本質」

ちなみに、私のミッションは、

自分を愛して
本当の自分に目覚め
ヒーリングの達人として
地球と人類の目覚めに最大限に貢献する

です。

私は、

ミッションとは、その人を表すエッセンス(本質)である

と考えています。

その人の魂の本質を表す、概念(コンセプト)である

と言い換えることもできるでしょう。

「抽象」から「具体」へ

けれど、ミッションは、魂の本質を表す、抽象的な概念であるがゆえに、

このままだと、現実世界(肉体の次元)では扱いにくい。

私のミッションを例に見ても、

・自分を愛する
・本当の自分に目覚る
・ヒーリングの達人

というのは、抽象的すぎて、

実際に、何をどうしたらいいのか、イマイチわからない・・・。

だから、(魂のエッセンスである)「ミッション」を、

(物理次元の)「具体的な表現手段・方法」に、変換する必要があるんです。

魂のステイト(状態、位置)にある、ミッションを、肉体のステイトに落とし込む

と言い換えることもできます。

つまり、

「魂・精神」という、目に見えない、カタチのないエネルギーを、

「物質」という、目に見える、カタチあるものに変換する

ということです。

例えば、私のケースなら、上に書いたカタチのないミッションを、

・ディマティーニ・メソッドで自分を癒す
・個人セッションやセミナーで他者の癒しを手伝う
・CBDオイルを飲んで自分を癒す
・CBDオイルを販売して、他者の癒しを手伝う

というように、

カタチのある具体的な手段・方法として表現するということをしています。

「自己表現」

私の場合は、ディマティーニ・メソッドや、CBDオイルで、自分と他者を癒すことが、

・自分を愛する
・本当の自分に目覚る
・ヒーリングの達人

いうミッションを表現する手段なんです。

こんな風に、

ミッションを、具体的なカタチとして、現実世界で表現することがライフワークである

と、私は、考えているんです。

つまり、ライフワークとは、

魂が、肉体を使って自己表現することである

ということです。

「ケネディママのミッション」

ちなみに、ライフワークという言葉には、”ワーク”が入っているので、

「ライフワークとは、ミッションを仕事にする(=お金を稼ぐ)ことである」

と考える人もいるでしょう。

けれど、私は、必ずしも、ミッションを仕事にする必要はない
(=それでお金を稼ぐことがすべてでない)

と考えています。

例えば、

ジョン・F・ケネディ(元アメリカ大統領)の母親のローズ・ケネディのミッションは、

「世界のリーダーとなる家族を育てる」

というものでした。

ですから、たとえ、子育て中のお母さんでも、

就職活動中の大学生でも、どんな人でも、ミッションを表現して、

ライフワークを生きることは、可能なんです。

まとめ

「ワクワク」とは、

やりたいこと、好きなことがわからないときに、

麻痺した感情のセンサーをリハビリするのに、役立つツール。

「ミッション」とは、

「生まれてきた目的」、「生きる目的」であり、本当の自分である、「魂の本質」(エッセンス)。

「ライフワーク」とは、

ミッションを現実世界で「自己表現する」ことと、その「手段・方法」。

この記事を書くために、いろいろ調べたら、

ミッションとライフワークは、同じものであると、定義している人もいました。

人によって、様々な解釈があると思います。

この記事は、自分の考えを整理するために書きました。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

飛田 貴生

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