「変えられること」「変えられないこと」あるがままを受け入れる秘訣
「変えられること」「変えられないこと」あるがままを受け入れる秘訣
私には、乾せんという皮膚病の持病があります。
全身に、まだら模様の赤い斑点ができるとても醜い皮膚病です。
特定疾患に指定されている難病で、私の場合はかなり重症化しています。
発症したのは中学生の頃で、もうかれこれこの病気と30年近く付き合っています。
この病気は、生死には関わらないのですが、見た目が酷いので精神的な苦痛がすごく大きいです。
私は、中学生の頃から人前で裸になることを避けてきました。
温泉に行っても、誰もいない深夜を見計らってお風呂に入っていました。
プールや海水浴なんてもってのほかで、中学生以来、人前で肌をさらしたことはありません。
そんな状態が最近までずっと続いていました。
1年半ぐらい前のことです。
新婚旅行でハワイのマウイ島に行くことになりました。
私には、美しい海でシュノーケリングしたり、イルカと泳ぐ夢がありました。
いままでやりたくてもできなかったことです。
それが実現するチャンスでした。
しかし、この醜い皮膚病のままではそれは叶いません。
そこで私は一念発起して、皮膚病を完治させることを決意しました。
私はすぐに、乾せんにとても効果的と言われている、ある自然療法を始めました。
この食事療法は、とても制限の多いたいへんなものでした。
肉は、基本的に一切ダメで、少量のラム(子羊)や鶏肉だけ食べることが許されていました。
さらに、野菜にも制限があって、ピーマンなどのナス科の野菜や、トマト、ジャガイモはNGでした。
もちろん、アルコールもNGで、少量の赤ワインだけ例外的にOKでした。
さらに私の場合は、血液検査で、小麦粉アレルギーがあることが分かったので、パスタやパン、うどんなどの小麦粉製品も全滅でした。
いったい何を食べたらいいの?という感じです・・・。
食事は、玄米と、根菜類、レタスなどの葉モノ野菜が中心で、
毎日同じものばかり食べていました。
肉好きの私にはかなり苦痛でした。
大好きなビールも一切やめました。
食事療法だけでなく、大腸洗浄やひまし油の添付、カイロプラクティックの施術など、
の治療法も試しました。
もちろん、ディマティーニ・メソッドのワークも何度も行いました。
病気を治すために、できることは何でもやろうと決めて努力を続けました。
そして、食事療法を始めて、約一年が経った頃のことです。
私の体はボロボロになっていました・・・。
体重は10キロ近く落ちて、頬がげっそりしていました。
皮膚病は良くなるどころか悪化していました。
おまけにもう一つの持病のリウマチまで悪化してしました。
極端な食事療法行ったことが原因だったのかもしれません。
この療法は、他の人には効果的でも、私の体には合っていなかったようなのです・・・。
そして、新婚旅行でマウイに行く日がやって来ました。
皮膚の状態は最悪で、おまけにリウマチの痛みもあって、痛み止めの薬が手放せない状態でした。
マウイのビーチではTシャツを着たまま海を見ていました。
もちろん、シュノーケリングやドルフィンスイムもできませんでした。
そして・・・
新婚旅行から帰ってきて、私はこの食事療法を一切止めてしまいました。
病気を治すことをあきらめたのです。
これだけやって治らないのだから、もう一生病気のままだと思いました。
そして、病院に行くことに決め、乾せんとリウマチに劇的に効くと評判の新薬を使うことにしたのです。
その薬は、生物学的製剤のヒュミラというものでした。
治験が終了したばかりの新薬だったので、副作用が怖くて使うことをずっと躊躇していたのです。
しかし、もう他に選択肢はありませんでした。
そして・・・
薬を投与し始めるとすぐに、劇的な効果が表れました。
ぶり返していたリウマチの痛みが一切なくなり、皮膚の症状もどんどん良くなっていきました。
1か月もすると皮膚の斑点がすべて消え、いままで何十年も皮膚病であったことがウソだったかのように、すっかりきれいになってしまいました。
そして、健常者と同じきれいな皮膚を取り戻すことができたのです。
そして、何十年かぶりにプールに行って泳ぎました。
うれしくて、毎日のように、近所のサウナにも通いました。
そして・・・
先週、改めてハワイのオアフ島に旅行に行ってきました。
今回は、ドルフィンスイムをすることが、いちばんの目的でした。
幸運にも、十数頭のスピナードルフィンの群れと出会って、
数メートルの距離のところでイルカと一緒に泳ぐことができました。
また、シュノーケリングで、ホヌ(ウミガメ)や、美しい熱帯魚も見られましたし、船の上から、くじらも見ることができました。
さらに、ホテルのプールで泳いで、ジャグジーも楽しみました。
去年、マウイでできなかったことをすべてすることができ、
長年の夢をついに叶えることができたのです!
この体験を通じて学んだことがあります。
それは、
「人は、変えることができないことを変えようとするときにもっとも苦しみ、格闘しているときには、欲しいものは手に入らない」
しかし、
「変えられない状況を受け入れてしまうことで苦痛から解放され、
格闘をやめて手放すと、欲しいものがすんなり手に入る」
ということです。
病気を治そうと必死だったとき、私はいちばん苦しんでいました。
治したいのに治らない状況が続くこと自体が苦しみの原因だったのです。
そして、あんなに苦しい思いをしたのに、結局、シュノーケリングもドルフィンスイムも手に入りませんでした。
でも、もうこの病気は一生治らないのだとあきらめて、自分が病気であることを受け入れた途端に、すごく楽になりました。
そのことを受け入れた瞬間に、格闘することから解放されたのです。
今は薬を使って病気を押さえ込んでいるので、逆にまったく苦痛を感じていません。
さらに、病気を受け入れたら、シュノーケリングもドルフィンスイムもすんなり手に入ったのです・・・。
もしかしたら、あなたも、今、どうにもならない状況を何とか変えようと、必死にもがいているところかもしれません。
例えば、
経済的な困難からいつまで経っても抜け出すことができない。でもなんとか変えたい・・・
職場の人間関係を何とか良くしたい。でもどうにもできない・・・
恋人が欲しいのに、なかなかいいご縁に恵まれない・・・
結婚したいのに、彼が一向にその気になってくれない・・・
子どもが自分の思い通りに言うことを聞いてくれない・・・
子どもを授かりたいのに、それが叶わない・・・
といったような状況です。
この中には、もしかしたら、努力次第で状況を変えられるものもあるかもしれません。
でも、
世の中には、どんなに頑張っても変えられないことがあるのも事実なのです。
いっそのこと、変えられないものについては、その現実を受け入れてしまってみてはどうでしょう。
お金がなくても、
人間関係がうまくいっていなくても、
恋人がいなくても、
結婚できなくても、
子どもとの関係がうまくいっていなくても、
病気でも、
まあ、それでいいじゃないかと・・・。
変えられないことを変えようと、もがくから苦しむのです。
でも、あるがままの現状を受け入れてしまったら、以外と楽になるものです。
そして、「変らなくてもいい」「このままでいい」と思えたとき、現実は変り始めます。
手に入れようと格闘しているうちは、欲しいものは手に入らず、
あきらめる(手放す)と、欲しいものはすんなり手に入る。
この世界は、パラドックスなのですね。
神よ 変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、
変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。
― ニーバーの祈り
幸せになろうとするのをやめさえすれば、
私たちはとても充実した時を過ごせるだろう。
― イーディス・ウォートン
災難に逢う時節には災難に逢うがよく候。
死ぬ時節には死ぬがよく候。
これはこれ災難をのがるる妙法にて候。
― 良寛
いつもお読みいただきありがとうございます。
飛田 貴生
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