ペットロスを乗り越える方法 ディマティーニメソッドC面のやり方

今週は、愛猫を亡くした深い喪失の悲しみを、ディマティーニ・メソッドで解消した女性の事例を紹介します。

昨夜、猫が死にました

木下奈々美さん(仮名)とは、その日、はじめてお会いしたのですが、前の日の晩に愛猫のミー(仮名)が亡くなって数時間前に、埋葬してきたばかりだと言います。

奈々美さんは、Dr.ディマティーニの知恵を学んでいる方だったので、ディマティーニ・メソッドで、喪失の悲しみを解消できることを知っていました。

ディマティーニ・メソッドC面と呼ばれる、このワークは、死別や離婚、失恋、ペットロスなどで感じる深い喪失の悲しみ(グリーフ)を
解消するための方法論です。

そこで昨晩、亡くなったばかりの愛猫ミーへの深い喪失の悲しみをディマティーニ・メソッドで解消していくことにしました。

何が失われたことが悲しいのか?

まず初めに、ミーがいなくなったことで、具体的に、どんな特性、行動を失って悲しいと感じているのかを、明確にしていきました。

ミーが生きていたときは、それがあったのに今は無くなって、さびしい、または、悲しいと感じることが具体的に、なんであるか、思いつく限り書き出していきました。(列19)

すると、奈々美さんは、かつてミーが自分に示していた10以上の特性、行動を、挙げました。

  • すり寄ってくる
  • 一緒に寝る
  • 寝転がる姿
  • 鳴き声(にゃー)
  • 私のそばにいる
  • 丸い目
  • ピンクの肉球
  • 白いお腹
  • 朝、私を起こす
  • おひさまのにおい
  • zoomやSNSの画面に顔を出す
  • 人懐こい
  • 私から逃げない

次に、奈々美さんが、ミーのどの特性、行動を失ったことに、特に強い喪失の悲しみを持っているかを、明確にしました。

この日は、スケジュールの関係で、1時間15分しか、ワークする時間がありません。

本来なら、書き出したすべての特性、行動についてワークを完了させていくのですが、時間的にそれは難しい。

だから、優先順位をつけてワークをする必要があったんです。

すると、奈々美さんが、特に失って悲しい、さびしいと感じる、ミーの特性、行動は、「一緒に寝る」と、「すり寄って来る」である
ことがわかりました。

この2つのミーの特性、行動を口にしたとき奈々美さんは、少し顔を上に向けて、涙を流しました。

彼女のボディランゲージが、ここに深い喪失の悲しみ(エモーショナル・チャージ)があることをハッキリと、示している。

そこで、この2つの特性、行動を、優先してワークすることにしました。

失うものは、何もない

次に、リストアップした特性、行動をミーが示さなくなった後、誰が、その特性、行動を、奈々美さんに示しているのか見つけていきます。(列20)

このワークをする目的は、「人生に欠けているものは何もない」という真実に気づくことです。

奈々美さんはミーが昨晩を最後に「一緒に寝る」という行動を自分に示さなくなった後、誰が自分と寝てくれるのか、探しました。

すると、その日は、研修を受けるために、ホテルを予約していていることに気づきました。

彼女は、自分のために、今晩、自分の眠る環境を準備している。

つまり、今晩、彼女は、自分自身と寝るのです。

ミーという、カタチで外側から得ていた「一緒に寝る」という特性、行動を、自分の内側で補完し、自分に示すようになっているということです。

悲しみを解消する質問1

次に、「一緒に寝る」という特性、行動が、かつて愛猫のミーというカタチで示されていたことの、デメリットを見つけていきました。(列22)

つまり、ミーと一緒に寝ることのデメリットを見つけていくということです。

ファシリテーター
「ミーと、一緒に寝ることの、あなたの具体的なデメリットは何ですか?」

奈々美
「全身、毛だらけになります。口の中に、毛が入ることもありますね。
あと、ミーが私の顔にお尻をこすりつけてくることがあって、すっごい、臭いんです。」

ファシリテーター
「ミーと寝ることのその他のデメリットは何ですか?」

奈々美
「ミーのイビキで、夜中に、よく起こされました。
あと、私は左を向いて寝る方が楽なんですが、ミーは、私の右側に寝るが好きなんで、私は、右向きで寝ないといけません。」

ファシリテーター
「つまり、ミーと一緒に寝ると、あなたは、全身、猫の毛だらけで、夜中に頻繁に起こされ、臭いお尻をこすりつけられ、楽じゃない姿勢で、寝ないといけない。

つまり、ミーと寝ると、リラックして、熟睡できないのですね?」

奈々美
「あー、本当にそうですね。」

悲しみを解消する質問2

次に、ミーがいなくなった後に「一緒に寝る」という、特性、行動が、新しいカタチで、現在、自分に示されていることの、メリットを見つけていきます。(列21)

ファシリテーター
「一緒に寝る」という、特性、行動を、新しいカタチとして、受け取るメリットは何でしょう?

つまり、ミーではなく、あなたが自分自身と一緒に寝ることの具体的メリットが何かということですね。」

奈々美
「毛だらけにならずに、清潔なシーツで眠ることができます。」

ファシリテーター
「その他のメリットは?」

奈々美
「夜中に起こされないし、臭いお尻を擦り付けられることもありません。
あと、左向きの楽な姿勢で、眠れます。
あー、私、一人の方が、朝までぐっすり熟睡できますね。」

ファシリテーター
「ミーと一緒に寝ることには、あなたにメリットと同じだけのデメリットがあるし、自分と寝ることには、デメリットと同じだけのメリットがあると、確信を持って言えますか?」

奈々美
「はい、言えます。」

”ポジティブに偏った認識”は、中毒症状(アディクション)の原因になります。

失って悲しい、または、さびしいと感じている、特性、行動が、(無意識に)もたらしているデメリットを見つけることで、「愛着」を引き起こす、脳内の「ドーパミン」(神経伝達物質)や、「幻想」を長引かせる「セロトニン」(同)を分解できます。

そうすることで、深い喪失の悲しみの、原因になっている、「中毒症状」を解消することができます。

猫の代わりに私に寄り添う人は?

次に、奈々美さんが特に大きな喪失感を感じている、「すり寄ってくる」という、もう一つの特性、行動にワークしていきます。

奈々美さんは、ミーが、「すり寄ってくる」という行動を、自分に示さなくなった後、誰が自分に、すり寄って来てくれるようになっているか、探しました。(列20)

ファシリテーター
「すり寄るという、特性、行動を、ミーが最後に、あなたに示したのは、いつでしょう?」

奈々美
「具合が悪くなる前なので、3日前です。」

ファシリテーター
「では、ミーがあなたに、すり寄って来なくなった後、誰があなたに、すり寄ってくるようになりましたか?」

奈々美
「あ、SNSでつながっている人たちです。
ミーが亡くなったことを、私、SNSに投稿したんです。

そうしたら、みんな私のことをすごく気にかけてくれて、たくさんメッセージやコメントをもらいました。」

ファシリテーター
「ミーがいなくなった後、他に誰があなたにすり寄るようになっていますか?」

奈々美
「あ、私の父です。
父は、私のSNSを見ていたみたいで、心配して、すぐに電話をかけてきました。」

ファシリテーター
「つまり、ミーがあなたに、物理的に寄り添わなくなった後、何人ものSNSでつながっている人やお父さんがあなたの心に、寄り添うようになっているということですか?」(一対多の法則

奈々美
「はい」
(奈々美さんの目から、気づきの涙が流れました。)

ファシリテーター
「ミーがいなくなった後も、あなたのそばに寄り添ってくれる存在は、今も、ちゃんと存在しているんですね。 それが見えますか?」

奈々美
「はい、見えます。」

ファシリテーター
「すり寄るという特性、行動を、ミーがいなくなった後も、まったく量的に同じぐらい、あなたは持っていると、確信を持って言えますか?」

奈々美
「はい、今も、同じぐらい寄り添ってくれる存在がいます。」

新しいカタチのメリットは?

次に、現在、新しいカタチとして、「すり寄る」という特性、行動が、奈々美さんに示されていることのメリットを見ていきました。 (列21)

つまり、SNSでつながっている人たちや、お父さんから、すり寄られるメリットを見つけていくというこです。

ファシリテーター
「SNSでつながっている人たちが、あなたに、すり寄ってくることのメリットは何ですか?」

奈々美
「たくさんの人の注目と関心を集められます。
そうすると、私の発信する情報を、たくさんの人に見てもらえますね。

私に共感してもらえることもメリットです。
人と、深く心でつながることができます。

あ、そういえば、ミーが亡くなったことを、SNSに投稿したら、そこから私のホームページに行って、商品を買ってくれた人がいました。」

ファシリテーター
「あなたにとって、人とつながることや、自己表現のために、伝えたいことを発信することは、大切ですか?」

奈々美
「はい、人とつながることも、自己表現も、すっごく大切です。

だから、私、人とつながれるSNSで、情報発信をやっているんです。
それが、私がいちばんやりたいことです。」

ファシリテーター
「SNSの人たちがあなたにすり寄ってくる、その他のメリットは何ですか?」

奈々美
「ミーが亡くなったことを、投稿したら、励ましや応援の言葉をたくさんもらえました。

それで私、こんなにたくさん、私を見守って、大切に思ってくれている人がいるんだって、わかったんです。
私は、すごく愛されているんだって。」

ファシリテーター
「今、なんて、言いました。
もう一度、言ってください。」

奈々美
「私は、すごく愛されているんだって、気づけました。」

ファシリテーター
「つまり、あなたは、自分がたくさんの人から愛される価値のある存在であると確かめることができたということでしょうか? 」

奈々美
「ああ、本当に、その通りです。
SNSの人たちが私に寄り添ってくれると私は、自分の価値を確かめることができるんですね。」

ファシリテーター
「では、あなたのお父さんが、すり寄ってくることのメリットは何でしょう?」

奈々美
「父と仲直りすることができます。
実はもう何年も父と距離を置いていたんです。

でも、ミーが亡くなったことを、SNSに投稿したら、それを見た父が、心配して、すぐに電話をくれたんです。

私、ミーが亡くなったことがショックだったから、お父さんに素直に心を開いて、話すことができました。」

ファシリテーター
「SNSの人やお父さんがあなたにすり寄ってくることには、ミーがすり寄ってこなくなったデメリットと
同じだけのメリットがあると、確信を持って言えますか?」

奈々美
「はい、言えます。」

猫が伝えたかったメッセージ

次に、「すり寄る」という特性、行動が、かつてミーというカタチで示されていたことのデメリットを見つけていきました。(列22)

つまり、ミーが体をすり寄せてくることの、デメリットを見つけていくというこです。

ファシリテーター
「ミーがあなたに、体をすり寄せてくるデメリットは何でしょう?」

奈々美
「私の情報発信を邪魔します。
パソコン作業しているときに、キーボードの上にのっかてくるんですよ。
あと、動画撮影していると、そこに割り込んできます。」

ファシリテーター
「ミーがすり寄ってくるその他のデメリットは何ですか?」

奈々美
「私は、悲しみの感情を、SNSで正直に、人に見せたりしません。
たくさんの人から、共感される経験もできませんね。
私は、自分が愛されていることに、気づけません。」

ファシリテーター
「ミーがすり寄ってくることの、その他のデメリットは何ですか?
お父さんとの関係は、どうでしょう?」

奈々美
「私は、悲しくないから、父と仲直りするきっかけがありません。
それに、意地を張って、素直に父に心を開けません。」

ファシリテーター
「つまり、ミーは、あなたの前からいなくなることで、あなたがお父さんに心を開いて、仲直りできるように、手助けしてくれているということでしょうか?

あなたがたくさんの人に愛されていることを、ミーは、あなたに教えようとしているということでしょうか?

あなたが、自分の伝えたいことをもっと発信できるように、

ミーは、あなたを、たくさんの人と結びつけようとしているということでしょうか?

そのために、ミーは最後に、自分の命を使ってくれたのではないですか?

それが、ミーの愛の表現であることがわかりますか?

ミーが、どれだけ、あなたのことを深く愛しているか、わかりますか?」

奈々美さんは、目を閉じて、少し上を見上げながら、胸の前で手を合わせ、静かに涙を流しました。

彼女が、ミーに深い愛と感謝を感じてることがわかりました。

昨晩、愛猫を、亡くしたことで感じていた、奈々美さんの深い喪失の悲しみは、こうして、愛と感謝へと、トランスフォーメーションしたのです。

深い喪失の悲しみが消える

その翌日。

奈々美さんからSNSのメッセージが届きました。

こんにちは!

承認ありがとうございます!
先日は大変お世話になりました。

おかげさまで、愛猫との日々の幻想に
振り回されることなく、死を受け入れ
日々穏やかにニュートラルに過ごしています。

DMは本当に面白いですね!
それを長年やってこられた
飛田さんの言葉にはパワーがありました。

今後とも御指導宜しくお願い致します。

エネルギー保存の法則

人間行動学の世界的権威、Dr.ジョン・ディマティーニの研究によると、人間の特性や行動(すること、しないこと)には、ぜんぶで4,628もの種類があり、私たちの誰もが、これらの特性や行動をすべて持っているといいます。

人間の特性や行動には、「周りの人があなたに示すもの」と、「あなたが自分自身に示すもの」の、2つがあります。

例えば、「他者があなたのために食事をつくってくれる」(他者→自分)と、「自分のために食事ををつくる」(自分→自分)というように。

特性や行動は、周りの人があなたに示すものであっても、あなたが自分自身に示すものであっても、生涯を通して、新たに獲得することも、
失うこともありません。

すべての特性は、誕生の瞬間から、死ぬ瞬間まで時間の経過の中で、「一つのカタチ」(1人)または、「複数のカタチ」(複数の人)として

常にカタチを変えながら、(トランスフォーメーションしながら)、

「あなたの外側」(周りの人があなたに示す特性)と、「あなたの内側」(あなたが自分自身に示す特性)の両方に、保存・保持され続けます。

これを、「エネルギー保存の法則」といいます。

魂の次元(レベル)では、欠けているものは何もない。

けれど、肉体の(物理的な)次元では何かが欠けていたり足りていないように感じる。

けれど、本当は、それらの特性や行動は、認識していない(気づいていない)カタチで存在している。

例えば、あなたの母親が亡くなって、「あなたの話を聞いてくれる」という行動を、母親(1人の人)がしなくなった瞬間に、別の人(1人または、複数の人)が、「あなたの話を聞いてくれる」という行動をあなたに、示しはじめる。

または、あなたが自分で「自分の話を聞いてあげる」という行動を示しはじめるということもあるでしょう。

また、母親が亡くなって、あなたに「笑顔」を見せなくなった瞬間に、別の人(1人または、複数の人)が、あなたに「笑顔」を見せるようになるのです。

こんな風に、私たちは、すべての人間の特性や行動を、周りの人たちと、自分の内側から、常に均衡(バランス)の取れた状態で、受け取っているのです。

Dr.ディマティーニは、これを、「人類最大の発見である」と言っています。

だから例え、あなたの大切な人がいなくなって、何かが失われたように感じたとしても、それは、別のカタチに姿を変えたのであって、本当に、失われたわけではないのです。

ディマティーニ・メソッドC面を行えば、失ったと感じた大切な人の特性や行動が、今もあなたの人生にちゃんと存在していることに気づくことができます。

「獲得が喪失よりも大きいと認識すると、 人は感情的に虜になったり、 夢中(中毒)になったりし、

喪失が獲得より大きいと認識すると、 拒絶や憤り、幻滅を感じる。

獲得したものと喪失が量的にイコールでないとしたら、それは嘘である。

虚偽とは、バランスがとれていない状態のことである。

獲得と喪失がイコールになってはじめて、 バランスのとれた感謝、 そして無条件の愛の状態になる。

真実はすべてがバランスしているのである。」
ーDr.ジョン・ディマティーニ

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最後までお読みいただきありがとうございます。

飛田貴生

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