「嫉妬・劣等感」を最短2時間で消すメソッド

 

きょうは、セミナーにきてくれた女性が、

「強い嫉妬の感情」を解消した実際の事例を紹介します。

久保田ユキさん(仮名)は、

大手通信会社のコールセンターで、

電話故障の対応をするオペレーターのお仕事をしています。

そこに最近、斉藤さん(仮名)という、新人が入ってきました。

斉藤さんは、明るい性格で、誰からも好かれるタイプ。

話もすごく上手で面白いので、ランチのときに

自然に彼女のまわりに人が集まるようになりました。

そんな人気者の、斉藤さんを毎日、見るうちに、

ユキさんは、すごくイヤーな気持ちになりました。

ユキさんは、どちらかというと斉藤さんとは真逆で、

控えめな性格だし、話もあまり上手ではないと思ってる。

だから、自分にはできないことができて、

人からすごく好かれている、

人気者の斉藤さんがうらやましくて仕方ない。

「あとから入ってきたくせに、なんなのよ、あの人!」

と、いつかしか、斉藤さんに、

とても強い「嫉妬」を感じるようになっていました。

そういうわけで、ユキさんは、その嫉妬を解消するために、

「バリュー・リベレーション」のワークに取り組むことにしました。

ユキさんが、斉藤さんについて、もっとも、うらやましいと感じていた特性は、

「面白い話ができる」こと。

これを、深く掘り下げていくと、

「人を笑顔にできる」

というのが出てきました。

面白い話ができることも、そうだけれど、

実は、ユキさんが、いちばん斉藤さんに嫉妬していたのは、

「人を笑顔にできること」

だったのです。(列19)

なので、次は、

「ユキさん自身が人を笑顔にしたのはいつか?」

ということを探していきました。(列20)

すると、以前に保育園で保育士の仕事をしていたときに、

子供達を笑顔にしていたことを思い出しました。

私は、ユキさんがそのとき、どんなやり方で

子供達を笑顔にしたのか聞いてみました。

すると、ユキさんは、

「子供達の話を聞いてあげた」

と言うのです。

当時、ユキさんの勤めていた保育園には、

お父さんやお母さんがなかなかお迎えに来てくれない子供達が

何人もいたそうなんです。

そういう子たちは、親が仕事で忙しくて、いつも一人で寂しい思いをしていました。

ユキさんは、そういう子に、寄り添って、その寂しい気持ちや、

そのときに感じていることを、じっくり聞いてあげていたのです。

ユキ先生に話を聞いてもらうと、子供達は、どんどん元気になっていきました。

そして、最後は、笑顔になる。

そういうことを、ユキさんは、前職の保育園で3年間もやっていたのです。

私は、ユキさんに質問しました。

「話を聞いてあげることで、

これまでに何人の子供を笑顔にしてきたのですか?」

と。

すると、ユキさんは、少しの間、黙って考え、

「たくさんいすぎて、わかりません」

と答えました。

さらに、私は、

「今現在、ユキさんが、誰を笑顔にしているか?」

についても聞いてみました。

すると、彼女は、少し考えて、

「ああ、お客さんです」

と答えました。

今、ユキさんは、通信会社のオペレーターとして、

電話が故障したお客さんに対応するお仕事をしています。

そのときに、お客さんたちは、ユキさんに、

電話故障とはまったく関係ない話をよくするそうなのです。

最近、天気が悪くてイヤになっちゃうとか、

旦那が、ぜんぜん家事を手伝ってくれないとか、

一人暮らしで話相手がいなくて、寂しいとか、

年金が少なくて、この先、もっと減ったら生きていけない

とか・・・。

そういう、日常感じている不安や孤独感、イライラ、不満といった感情を、

オペレーターのユキさんに打ち明けるお客さんが、ものすごく多い。

そんなときユキさんは、関係ない話だからと話をさえぎらずに、

お客さんの気持ちに寄り添って、時間をかけて、

気が済むまで話を聞いてあげるといいます。

すると、だんだんお客さんの声が元気になってくる。

そして、最後にユキさんに「ありがとう」を言ってくれる。

私は、ユキさんに質問してみました。

「一日に、何人のお客さんを、話を聞いてあげることで元気にしていますか?」

と。

すると、ユキさんは、

「だいたい30人ぐらいです」

と答えました。

さらに私は、一ヶ月に何日働いているか、

この仕事をどのぐらいの期間やってるのかを聞きました。

すると、

毎月の勤務日数はだいたい20日間で、

この仕事を初めて3ヶ月になることがわかりました。

それで私は、続けて言いました。

「1日30人×20日×3ヶ月で、

合計1,800人になりますね。

電話だから、顔は見えないけれど、

話を聞いてあげると、声でお客さんが元気になっているはわかる。

そのとき、お客さんは、笑顔になっていると思いませんか?

つまり、たった3ヶ月で、あなたは、1,800人も笑顔にしている。

そういうことになりませんか?」

するとユキさんは、ハッと気づいたように、

「ああ、本当にその通りですね。

私もたくさんの人を笑顔にしています」

と答えたのです。

さらに私は、質問しました。

「保育園のときは、子供の話を聞いて、子供達を元気にしていた。

でも今は、電話会社のお客さんの話を聞いて、お客さんを元気にしている。

転職して、まったく違う仕事になったと、思っていませんでしたか?

でも本当は、仕事の内容は、本質的には、今も昔も、まったく同じなんですね。

そのことに気づいていましたか?」

と。

すると、ユキさんは、目を丸くして、

「まったく気づいていなかったけれど、

本当にその通りですね。」

と、すごく納得していました。

さらに私は、ユキさんがやっていることは、

「傾聴」(けいちょう)ですよと教えてあげました。

傾聴(アクティブリスニング)は、

アメリカの臨床心理学者、カール・ロジャーズが提唱した、カウンセリングの技法。

相手の話に、注意深く耳を傾けることで、相手を理解し、受け止め、共感することで、

相手の人は、自分のことを理解してもらえた、わかってもらえたと感じ、心が楽になるというもの。

続けて私は言いました。

「ユキさんの才能は、

”話を聞いてあげることで、相手を元気して、笑顔にすること”

なんですよ。

保育士、オペレーターというのは、仮の職業だったんです。

本当の仕事は、私と同じ心理職。

あなたは、凄腕の臨床心理カウンセラーなんですよ。

たくさんいすぎてわからないぐらいの子供達や、

1,800人のお客さんたちを傾聴で笑顔にしていたのが、その証拠です。

今までそのことに気づいていましたか?」

その瞬間、ユキさんは、

今まで自分がやっていたことの、本当の意味を理解しました。

顔がパッと明るくなって、それまでと表情がガラリと変わりました。

目の中に光が宿り、存在感も出てきました。

続けて私は言いました。

「斉藤さんは、”自分が面白い話をする”ことで、人を笑顔にしていましたよね。

そして、ユキさんは、彼女とは、まったく逆のやり方、

つまり、”相手の話を聞いてあげる”ことで、人を笑顔にしていた。

斉藤さんとはカタチが違うけれど、ユキさんにも、量的にまったく同じだけ、

”人を笑顔にする”という特性があると、確信を持てますか?」

すると、ユキさんは、迷うことなく、

「はい、私にもそれがまったく同じだけあります」

と答えたのです。

人間行動学の世界的な権威と呼ばれている、

ドクター・ジョン・ディマティーニの研究によると、

人間の特性と行動にはぜんぶで4,628もの種類があり、

誰もが、これらすべての特性を持っていると言います。

特性と行動は、新たに獲得することも、失うことも、決してありません。

生まれた瞬間から、死ぬ瞬間まで、人生の時間の経過の中で、

すべての特性は、「1つのカタチ」(1人)または、

「多数のカタチ」(複数の人)として、常にカタチを変えながら、(トランスフォームしながら)、

「自分の内側」(自分自身の特性と行動)と「自分の外側」(他者が自分に示す特性と行動)

の両方に、保存・保持され続けるのです。(エネルギー保存の法則)

ユキさんの例で言うなら、「話を聞くことで相手を笑顔にする」という特性を、

過去においては、「保育士として、子供達に示す」というカタチで持っていた。

そして、現在は、その特性を、「オペレーターとしてお客さんに示す」というカタチで持っている。

さらにもし、今後、ユキさんが別の仕事に変わったとしても、

「話を聞くことで相手を笑顔にする」という特性は決して失われることはなく、

別のカタチに、トランスフォームするのです。

また、ディマティーニさんは、こうも言っています。

「他者の中に見ている特性と行動は、それがポジティブに感じるものであっても、

ネガティブに感じるものであっても、あなた自分の内側にあるものの投影です。

自分の中に無いものを、他者の中に見ることは決してできません。

他者は、あなた自身を映す鏡なのです。」(鏡の法則)

と。

これもユキさんの例で言うと、

「人を笑顔にする」とう特性は、そもそもユキさん自身のもので、

それを斉藤さんという「鏡」に投影して見ていただけなのです。

で、「鏡」(斉藤さん)に映った自分に嫉妬をしていた・・・。

こうやって文字にすると相当にオカシイけれど、

人は、みんなこういうことを普通にやっている。

実はこれが他者に嫉妬してしまう、本当の仕組み。

もう、鏡に映った自分の姿に、「シャー!」って、

威嚇するネコのことを笑えませんね 笑

ちなみに、

他者に投影して見ている特性・行動というのは、

実際の鏡のように「反転している」ことがすごく多い。

鏡に自分の顔を映すと、左右が逆に見えますよね。

これとまったく同じ現象が、

「鏡の法則」にもよく起きるのです。

ユキさんの例で説明するとすごくわかりやすいのですが、

斉藤さん(鏡)は、「自分が話をする」ことで、人を笑顔にしていた。

それに対して、

ユキさん(自分)は「相手の話を聞く」ことで、人を笑顔にしていた。

つまり、「人を笑顔にする」という特性自体は、まったく同じだけれど、

「自分が話をする」と「相手の話を聞く」というように、

示し方(表現の仕方)が、「反転」しているのです。

まるで本当に鏡に映しているみたい。

これが、個人的には、ヒジョーに興味深いポイントです。

なので、実際にワークするときは、

この「反転する」という、現象を意識しながら、

その特性を、自分が今どんなカタチで持ってるかを探すと

見つかりやすくなります。(列20)

あと、ワークすればするほど、

「嫉妬している人」や「あこがれている人」

というのは、偶然、そこに存在しているわけでなく、

”目には見えないけれど、自分と相手はつながっている”

のだとよくわかります。

自分と相手(あこがれの人、嫉妬している人)は、

なんの媒介もなしに、お互いに影響を及ぼしていて、

この2人(2つの素粒子)は、同期(シンクロ)して動く。

まさにこれは、「量子もつれ」の性質です。

バリュー・リベーションに深く取り組むと、

「自分と相手の、目に見えないつながり」

も感じられるようになる。

これも、個人的には、すごく興味深い。

ちょっと脱線したので話を元に戻します。

ユキさんは、斉藤さんに見ていた「人を笑顔にする」という特性を、

自分も同じだけ持っていることが、ハッキリわかりました。

なので次は、

今のカタチでその特性を持っていることのメリットを見ていきました。(列21)

具体的には、

「相手の話を聞くことで、人を笑顔にすること」(今の自分のカタチ)のメリットを考えます。

これは、すぐに出てきました。

ユキさんにとって、いちばん大きなメリットは、

「相手と心がつながること」。

話を聞いてあげると、相手は、自分のことをわかってもらえたと感じて嬉しくなります。

人は、自分がしてもらって嬉しかったことは、相手にお返ししようとするものです。

こちらが相手の話を聞いてあげると、相手も、自分の話を聞いてくれるようになる。

で、自分の方も、相手にわかってもらえたと感じる。

で、その瞬間に心がつながった感じがするのです。

ユキさんは、まさにそれの名人。

子供達とも、お客さんとも、そういう方法で、すぐに心でつながることができる。

ちなみに、世の中の大多数の人は、「自分がしゃべりたい」「自分の話を聞いて欲しい」

という、欲求を持っています。

それなのに、積極的に人の話を聞いてあげる人は、すごく少ない。

需要と供給でいうと、話したい人が山ほどいて、

話を聞いてくれる人がほとんどいない状態。

だから、ユキさんのところ(コールセンター)に、

電話(話を聞いて欲しい人たち)が殺到していたのです 笑

つまり、

「人の話を聞いてあげることは、すごく大きな価値」

なのです。

だから、当然、そういう人は、みんなから好かれる。

実際、ユキさんは、お客さんからたくさんの「ありがとう」と受け取っていました。

あと、お客さんの話をちゃんと聞いてあげるので、

苦情を言われることが滅多にない。

最初は電話の故障で怒っていたお客さんも、

ユキさんと話しているうちに、起こるのをやめて、彼女を好きになってしまう。

他のオペレーターたちは、

お客さんからの辛辣な言葉にいつも苦しんでいるというのに・・・。

最後に、もし、斉藤さんと同じカタチで、「人を笑顔にする」という特性を持ったら、

どんなデメリットがあるかを見ていきました。(列22)

具体的には、

「自分が面白い話をすることで、人を笑顔にすること」(相手のカタチ)

のデメリットを考えます。

いちばん大きなデメリットは、別に好きでもない人、

相性が合わない人とも、付き合わなければならなくなること。

ランチのときに、「誰かと一緒に食べたい」というのは、

「一人ぼっちになって、疎外感を感じたくない」

という心理に基づいていることがけっこう多い。

人間関係が希薄な職場では、そういった傾向が強いみたい。

そういうところに、

明るくて、話が面白い人がいると、輪の中に入りやすい。

で、そこでは当たり障りのない、どうでもいい話をして、それにみんな合わせている。

当然、中には、自分とは価値観が合わない人もいる。

けれど、「一人ぼっちになって、疎外感を感じたくない」から、

八方美人になって、”仲良しグループ”を装っている。

斉藤さんは、一見、人気者に見えたけれど、

実は、コミュニケーションがすごく表面的。

おまけに、自分がしゃべりたい人は、人の話を聞かないから、

仕事に戻ると、お客さんの辛辣な言葉に打ちのめされるし、

ありがとうを言われることなんて、まず考えらえない・・・。

こんな風に、

「人を笑顔にする」という特性を今の自分のカタチで持つことのメリットと、

斉藤さんのカタチで持ってしまうことのデメリットの両面を見てきました。

そうしたら、ユキさんは、気づいたんです。

「人と深くつながって、本当の意味で、人から好かれている、人気者は、私の方だった」

ということに。

そして、

「人の話を聞いてあげて相手を笑顔にしてあげること」

が自分の才能であり、やりたいことであるということも、ハッキリわかりました。

その他にも、斉藤さんについてうらやましいと感じていた、

いくつかの特性も同じようにワークしていきました。

そうしたら、あんなに、嫉妬していた、斉藤さんが、

まったく、うらやましくもなんともなくなってしまったのです。

そして、彼女は、セミナーの最後に、

「月曜に仕事にいくのがすごく楽しみになりました」

と言って、帰って行きました。

その後、ユキさんから、メールが届きました。

—ユキさんからのメール—

セミナーに参加させていただき、ありがとうございました。

参加して自分の役割を知ることができて良かったです。

でも、それだけじゃなかった。

週があけて今日から仕事が始まりました。

私の仕事はお客さまへ電話故障の対応をすることなのですが、

今日はお客さまを本当に大切に思えて、

文句を言われても丁寧に応対することができるようになっていました!

そうすると、お客さまも喜んでくださり、涙が出るほど嬉しかったです。

仕事が楽しくなりました。

これも飛田さんのおかげです‼\(^o^)/

本当にありがとうございます!

また参加したいです。

—ここまで—

「外側の世界は、内側の世界の投影である」

とよく言われます。

ユキさんの事例は、それをよくあらわしています。

セミナーに参加する前と後で、

ユキさんの仕事の内容や、職場の環境は、何も変わっていません。

変わったのは、ユキさんの、「認識」(ものの見方・捉え方)だけ。

けれど、認識の変化によって、現実も一変してしまった。

ディマティーニさんが

「内側の認識が変わることなしに、外側の現実が変わることは決してありえない」

と言っているのはこのこと。

もちろん、たった1回ワークをしただけで、

人生のすべてがに変わってしまうなんて言いません。

けれど、継続して、ワークに取り組んで、

ひとつひとつ着実に認識を変えていったら、

あるとき、自分がまったく違う人生を生きていることに気づくのです。

いつもお読みいただきありがとうございます。

飛田貴生

 

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