「男の人が怖い」性的トラウマと男性恐怖症を克服する方法
今日は、「理想のパートナーに出会う」というテーマで、私の個人セッションに来てくれた女性の事例を紹介します。
*ご本人の許可を得て記事にしています。
セクシャリティへの嫌悪感
河村愛さん(仮名)のいちばんの希望は、「結婚したいと思っているのに、恐れの感情があって行動できない。恐れの原因を見つけて解消し、結婚したい。」というものでした。
愛さんにはまず最初に、「恋愛・結婚の心のブレーキを見つける質問票」に回答してもらい、Skypeによる個別コンサルを受けてもらいました。
そうしたらところ、愛さんは、「セクシャリティ(性的なこと)についての強い嫌悪感」を持っていることがわかりました。
愛さんは、幼少期に実のお兄さんから、性的なイタズラを受けた経験があり、そのことが大人になった今でも、大きなトラウマ(心の痛み)として残っていたのです。
そして、そのために、「男性恐怖症」になり、それが、「結婚することへの恐れの原因」になっていました。
そこで、個人セッションでは、セクシャリティについての嫌悪感(男性恐怖症)を解消するために、ディマティーニ・メソッドを使って、「お兄さんから、性的なイタズラを受けたことのメリット」を、どんどん見つけていきました。
性的トラウマを克服する
「その出来事」があって以来、愛さんは、自分の部屋に閉じこもるようになりました。
人が怖くなってしまったからです。
ほとんどの時間を、大好きなアーティストの曲を聴いて、歌って過ごしました。
お気に入りの曲の歌詞を深く理解したいと思い、
歌詞を文字起こしして覚えるということもしていました。
そうやって、大好きな曲を「聴いて」「歌い」「歌詞を書く」ということに、一日中、没頭して過ごしたのです。
愛さんは、そういうことを、何年も続けました。
やがて、彼女は、大人になって、バンドをつくり、人前で歌うようになりました。
自分で作詞・作曲して、CDも発売しました。
部屋で一人で、大好きな曲を「聴いて」「歌い」「歌詞を書く」ことは、
実は、「作詞・作曲・ボーカルのトレーニング」になっていたのです。
愛さんの大好きなことは、「歌を歌うこと」。
実は、そのことに、お兄さんが、とても貢献してくれていたのです。
また、「その出来事」があって以来、愛さんは、男性恐怖症になり、自分のことを女性として見る男性を、ことごとく「拒絶する」ようになりました。
そうやって、「自分のことを外見で判断する人」を排除したおかげで、「自分の内面を好きになってくれる人だけ」に、人間関係が絞り込まれていったのです。
実際、愛さんの友達は、国籍も、年齢も、性別も、職業もバラバラ。
それは、愛さんが、「外見ではなく、内面を重視して人と付き合っている」何よりの証拠です。
一見して悪いことに思えた「男性恐怖症」は、「大切な人と、ハートで深くつながるための才能」だったのです。
愛さんは、「男性恐怖症」は、本当は贈り物だったことに気づき、治す必要なんて、まったくないと、わかったのです。
(ディマティーニ・メソッドを行うと、自分の欠点だと思うことは、同じぐらいの長所でもあることがわかり、変える必要がないことに気づきます)
トラウマが「人生の目的」に導く
愛さんは、お兄さんの「あの行為」のおかげで、「自分の歌をつくって歌うこと」と、「大切な人と、ハートで深くつながること」ができるようになっていました。
そして、歌を歌っているときと、大切な人と、ハートでつながっているとき、愛さんは、いちばん「自分らしい自分」でいられると言いいます。
そして、愛さん曰く、そのときに、「内なる神様とつながれる」と言うのです。
これこそ、まさに、愛さんが、心から求めていること。
彼女の最高価値観(テロス=人生の目的)は、「歌を歌うことと、ハートで人とつながることを通じて、自分らしさを表現し、内なる神様とつながること」。
ディマティーニ・メソッドをしたことで、愛さんは、「これこそ、私が、本当に、やりたいことなんだ!」とハッキリわかったんです。
そして、そのことに、「お兄さんのあの出来事」が、いちばん貢献してくれていたのです。
そのことに、気づいた瞬間、愛さんの瞳から、大粒の涙が溢れました。
もっとも嫌悪し、長い間、軽蔑してきた、実のお兄さんに、人生ではじめて、「愛と感謝」の気持ちを感じられるようになったのです。
それは、愛さんがブレイクスルーを体験した瞬間でした。
そして、愛さんは、「結婚するかどうかは、もう、どっちでもいいこと」だって、気づきました。
「結婚したい」という願望は、愛さんの本心ではなかったのです。
「結婚して、子供を生むことが、女性の幸せ」といった考え方が世間にはあります。
こういった「外側の声」(他人の価値観)に耳を傾けてしまうと、いつの間にか、それが自分の本心であるかのように、錯覚してしまうのです。
けれど、今回、愛さんは、ディマティーニ・メソッドによって、「内側の声」(自分の価値観)を、ハッキリと聞くことができました。
だから、「偽りの願い」と「本当の願い」を、明確に見分けることができるようになったのです。
個人セッションの数日後、愛さんからEメールが届きました。
それは、「私の歌を人前で歌い、CDを販売できることになりました!」という、報告でした。